第二回山梨県「ほうとう鍋」


ナベラボでは定期的に鍋文化研究会を行い、鍋を中心とした、日本の食文化についての意見交換会を行っています。
意見交換会は、日本全国都道府県ご当地鍋を食べながら行われます。
第二回山梨県の「ほうとう鍋」になりました。

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  ほうとうは一口に言えばだし汁に野菜とうどんを入れて煮込んだ、原始的ともいえる郷土食です。しかし、この単純な土臭い味がこの頃はかえって魅力があるようで、町々の飲食店ではこのほうとうをだし、人気を呼んでいます。
かぼちゃのほうとうや、あずきのほうとうがあります。いろいろな野菜を入れた味噌煮込みで、武田信玄が好んで、陣中食に用いたといわれています。
(農林水産省選定 郷土料理百選より)
ほうとうの語源は、中国の「ワンタン」から来たというもの、「ハタクモノ」という粉もの文化から来たというもの、武田信玄の「宝刀」から来たというものなど、諸説様々です。
また、前述のように、「あずきほうとう」「かぼちゃほうとう」のように、ほうとうは、小麦の練ったもの(すいとん状の場合もあるので、「うどん」とは一概に言えない)を入れた料理のことをいうので、県内の人は「ほうとう鍋」と呼ばない、と言われています。
しかし、日本鍋文化研究所では、調理をした「深鍋」をそのまま食卓で提供するスタイルであることから、これも鍋料理であると位置づけたいと思います。
今回、都内で「ほうとう鍋」を食べられるお店を探したのですが、数軒(私が調べたところでは2軒)しかありませんでした。
山梨は海がなく、山の幸、里の幸だけでありながら、それを工夫しておいしい料理にしている土地柄ですから、ぜひ都内でもほうとう鍋(山梨郷土料理)を食べられるお店がたくさんできればいいなと思います。
みなさまもぜひお近くで「ほうとう鍋」が食べられるお店を探してみてはいかがでしょうか。
Nabe labo では、情報をお待ちしております。
(文章 料理研究家安井レイコ)