第三回福岡県「もつ鍋」


ナベラボでは定期的に鍋文化研究会を行い、鍋を中心とした、日本の食文化についての意見交換会を行っています。
意見交換会は、日本全国都道府県ご当地鍋を食べながら行われます。
第三回福岡県の「もつ鍋」になりました。
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福岡・博多においては、終戦後にもつ肉とニラをアルミ鍋でしょうゆ味に炊いたものがルーツであり、1960年代にはごま油で唐辛子を炒めてもつを入れてから味付け用調味料とネギ類を入れて、すき焼き風に食べられていました。
炭鉱で働いていた朝鮮半島の人々が作り始めた物であり、「ホルモン鍋」とも呼ばれています。
近年のスタイルは、鰹や昆布などでとったダシに醤油や味噌で味つけし、その中に下処理したもつと大量のニラ・キャベツともつの臭みを消すためのニンニク(ニンニクはスープにあらかじめ風味付けしておくケースもある)、好みで唐辛子(鷹の爪)を入れ、これを火にかけて煮込んで食べます。
(まるごと福岡・博多ー福岡市公式サイトより)
「もつ鍋を最初に出したお店」ということで知られる福岡の万十屋では、甘辛のすき焼き風だそうですが、現在、「もつ鍋」というと、しょうゆ味、味噌味、しゃぶしゃぶ風にタレにつけて食べるものが、主な味付けのようです。
他にも変わった味付けのもつ鍋は多々ありますが、共通しているのが、「ニラ、キャベツ、にんにく、唐辛子(タカの爪)」といった野菜でしょう。鍋の〆にちゃんぽん麺を入れるのも、九州ならではの特徴でしょうか。
また、普通の鍋物のように土鍋を使うのではなく、金属製(ステンレスが多い)の鍋を使うのも、もともとが韓国から来たものというルーツを表しているのかもしれません。
山口県下関市には、 韓国語で「豚の小腸」の意味のとんちゃんを使った「とんちゃん鍋」があり、福岡県田川には、セメント袋と七輪で料理をしたことが発祥と言われる「田川ホルモン鍋」というものがあります。
さて、今回のNABE Labo勉強会では、鍋奉行を2人指名して、「夏にもつ鍋は、有りか無しか?」というテーマで話し合いながら、鍋を囲みました。
汗をかきながら食べるにんにくの効いたもつ鍋と冷たいビールは、最高!という声があがり、夏場に必要なビタミンを補給できるのも「有り!」という結論でした。
みなさんも、「夏にもつ鍋は、有りか無しか?」、議論しながらのもつ鍋はいかがでしょうか。
ちなみに今回お邪魔をしたのは、「辛子明太子のやまや」経営「博多もつ鍋やまや」さん。
http://www.y-shokukobo.com/
海外にも展開するもつ鍋、今後も見守っていきたいと思います。
Nabe labo では、情報をお待ちしております。
(文責・料理研究家 安井レイコ)