第六回大阪府「てっちり」


ナベラボでは定期的に鍋文化研究会を行い、鍋を中心とした、日本の食文化についての意見交換会を行っています。
意見交換会は、日本全国都道府県ご当地鍋を食べながら行われます。
第六回大阪府の「たらちり」になりました。

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ふぐは「ふく」とも呼ばれ、九州・山口を中心に捕られ、様々な料理に使われてきました。そのため、「ふぐ鍋」は各地で食べられているのですが、今回鍋ラボでは、大阪が最もふぐの消費量が多く、鉄砲に当たるように毒に当たることから「テッポウ」「テツ」と関西で呼ぶことから、そこから変換された「てっちり」を大阪の鍋として紹介させていただきます。
もともと「ちり鍋」とは、白身魚の切り身を野菜や豆腐とともに水煮にした鍋料理を指し、煮汁には味付けをしない淡泊な味わいが特徴です。そこに白身魚のふぐを使ったものがてっちりで、他府県では「ふぐちり」とも呼ばれています。そのような意味からすると、「てっちり鍋」ではなく「てっちり」が言葉としては正しいのでしょうが、分かりにくいために、「てっちり(鍋)」と表記したいと思います。
またご存じのように、ふぐには「テトロドトキシン」という解毒剤のない毒を持った部位があり、ふぐの種類によって部位や毒性が違うので、調理師の中でも専門の知識を持ったふぐ調理師の資格を持つ者しか調理をすることができません。また、その処理の際に出た内臓などは、専用の缶に入れられ、鍵をかけて厳重に保管されます。これは、「ふぐ条例」によって決められています。
おいしく食べるためには、知識と高い技術が必要なてっちり。
日本の鍋として正しく伝えていきたいものです。
(料理研究家 安井レイコ)